冤罪を創る人々vol.33
- 2004.10.28
- メールマガジン
2004年10月28日 第33号 発行部数:262部
◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆
「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇
山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/
【お知らせ】
都合により、今週は2号発行することになりました。ご了承の
ほどよろしくお願い申し上げます。
―――――――――――――――◇―――――――――――――――
●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態
「(ア) 冒頭陳述」より続く
http://www.mz-style.com/item/136
(イ) 公判検事 立石英生
一、 第一審は、平成8年5月7日の第1回公判を皮切りに、平成10
年10月15日の第32回公判で結審し、平成11年5月13日の
第33回判決公判で幕を閉じた。
公判廷の傍聴席には、常に2人のマルサの姿があった。黒っぽい
背広を着用しネクタイを締めた、おきまりのドブ鼠スタイルである。
二、 検事立石英生は、第一審の33回に及ぶ公判廷に、平成9年2
月18日の第11回公判、同年8月12日の第20回公判及び平成
11年5月13日の第33回公判以外の全てに公判検事として出廷
した。
三、 私は、被告人席から立石英生という人物を具さに観察した。
背が低く小太りの立石英生は、おもむろに検事席から立ち上がり、
下腹を少しつき出すようにして証言席に近づき、ヘラヘラした口調
で尋問をし、身体を大きく見せようとするためであろうか、肩をゆ
するクセがあった。
被告人とか弁護人に食ってかかるときには、きまって声が甲高く
なり、口唇が突出し、ひょっとこさながらの顔付きとなった。
私は、立石英生にコメディアン検事なる肩書きを付与することに
した。
四、 コメディアン検事立石英生が、刑事法廷でヘラヘラと支離滅裂
なことをしゃべり始め、私は被告人席から覚めた視線で立石の道化
芝居を冷ややかに見つめていた。法廷で演じられたのは、喜劇であ
ると同時に悲劇であった。
荒唐無稽な言葉が繰り出されることから喜劇であり、マルサに繰
られる道化であることに本人が気づいていないことから悲劇であっ
た。
私の中では、立石英生に対する憎悪の感情が次第に薄れ、憐憫の
情が支配するに至った。私は法廷という劇場で、立石英生が演ずる
悲喜劇を冷徹に見つめていたのである。
五、 立石英生は法廷に多くのものを証拠と称して持ち出してきた。
しかし、それらは全て検察のストーリーに都合のよい証拠ばかりで
あり、都合の悪い証拠は隠しているらしいことが判ってきた。
とくに、供述調書(検察官面前作成調書 ― 検面調書)のかなり
の部分が法廷に開示されておらず、検察の偽りの主張を突き崩すた
めにも開示が必要であった。
六、 平成9年2月18日、中村弁護人は、開示されていない9人の
供述調書の開示を求めて、証拠開示の請求を松江地裁に対して行なっ
た。
同年5月6日、同年2月18日付の開示申立について、裁判所は
職権発動をしないとして、却下した。
七、 平成9年12月2日、中村弁護人は、再度証拠開示の請求を行
なった。このたびは、とくに必要な2人の供述調書にしぼって行なっ
たのである。
同年12月16日、長門栄吉裁判長は検察官に対して証拠開示の
勧告をした。
平成10年1月13日、勧告に従って立石英生は、弁護側が請求
した証拠を開示した。不承不承であった。
(続きはWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/142
―――――――――――――――◇―――――――――――――――
●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
【お知らせ】
現在「山根治blog」にて連載中の「ゴーイング・コンサ-ンの幻想」
ですが、記事のボリュームがある上に数字が多いので、続きについて
はメールマガジンに掲載することをやめ、Webサイトでのみ公開い
たします。以下のページは先ほどアップしました。
ゴーイング・コンサ-ンの幻想-3 西武鉄道
http://www.mz-style.com/item/143
なお、旬の話題ですので、西武鉄道に関連した記事を、明日以降も
順次Webサイトでのみ公開していきます。ご了承のほどよろしくお
願い申し上げます。
(※「ゴーイング・コンサ-ンの幻想」は全部で8回分を予定)
-
前の記事
冤罪を創る人々vol.32 2004.10.26
-
次の記事
冤罪を創る人々vol.34 2004.11.02