飯塚事件について -その4
- 2004.07.29
- 山根治blog
飯塚さんが面倒な事件に巻き込まれた原因の一つは、高杉良さんによれば安井誠という公務員の逆恨みであったそうです。
安井誠なる人物は、東大法学部卒のキャリア官僚であり、飯塚さんと初めて出会ったのは、安井氏が大蔵主税局の課長補佐のときでした。
飯塚さんが不当な課税処分を指示した安井氏と大蔵省で議論した挙句、安井氏の上司の判断により課税処分が取り消され、面子がつぶされたと考えた安井氏は、飯塚さんに強い恨みを抱くようになったそうです。
その安井氏が、飯塚会計事務所の所在地をエリアとする関東信越国税局の直税部長に赴任するや、逆恨みを晴らすために、飯塚さんを潰すための陰謀が開始されたということです。
安井誠氏は、その後日銀政策委員になったりして、大蔵省証券局長まで昇りつめて退官しています。退官後は、安田火災に行ったり、東邦生命の会長になったりしました。
この安井誠という公務員は、外見的にはエリートコースを順調に歩み、退官後も大企業に天下りするという、人も羨む人生を送っているように見えます。
しかし、本当に妬ましくなるほど素晴らしい人生なのでしょうか。
高杉良さんは一流の作家であり、そのような方が安井誠氏を実名で公表されている以上、読者としては記述されている内容が事実に即したものであると考えざるをえません。
そうであるとすれば、安井誠氏は、ひとり飯塚さんだけでなく、長い官僚生活の中でその他にも数多くの他言がはばかられるような行為をなしてきた可能性があります。
私は安井誠という人物を論評する立場にはありません。ただ私は二人の息子に対して、このような生き方だけはして欲しくないと願っています。
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