026 その後― (2)
- 2004.06.15
- 冤罪を創る人々
****12)その後、 ― (2)
一、 平成6年2月8日、収税官吏藤原孝行と同新本修司の二人は、松江の私の事務所に顔を出し、私から、三つの申述書と二通の抗議書等を受け取って帰っていった。
これが、広島国税局マルサの一群が、私の眼前に姿を現した最後であった。
二、 この日、二人は、午後1時25分に来所し、同3時25分に帰っていくまでの二時間、私の事務所で私と話し合った。
この時の三人の会話内容は全て録音されており、テープ起しも完了している。B4版で65枚に及ぶものだ。違法なマルサの調査の実態を、マルサ自らの言葉で語らせ、記録するために、私のほうで、質問事項を事前に十分準備して臨んだのである。
三、 このとき、主に藤原孝行と私との間で交された、違法な押収品及びマルサの身分証明書の再提示等についての問答の実際は、後に詳述する。
四、 この2時間に及ぶ話し合いの終りに、藤原孝行は私に対して抗議するように、次のように言った、 ―
「女の子をいじめるのはやめて欲しい。われわれに直接言うのは、やむをえないと思うが、詳しい事情を知らない女の子にきついことを言うのは差し控えてくれ。」
五、 藤原孝行が私に文句をつけているのは、私が4日前の平成6年2月4日、午前11時と午後1時15分の2回にわたって、木下美恵(査察管理課)に電話したことに対してであった。
六、 藤原は、自分達が留守の時には、木下美恵に伝言を頼むように、私に教えていたために、それに従って、私は彼女にメッセージを託したのであった。
七、 私は、どのように彼女に話をしたのか記憶をしてはいないが、当時マルサが私に対して、暴力団まがいの犯罪的行為をしむけている最中であったので、あるいは、一言二言彼女にきついことを申し向けたことは十分にありうる。
それに対して、私に抗議をし、文句をつけているのであった。
八、 言いも言ったり、とはこのことだ。自分達は、私をはじめ、全く何の事情も知らない多くの人達を犯罪者扱いにして、罵詈雑言を浴びせかけているのに、私がマルサの電話番の女性に、いやみの一言を言ったら、この始末である。
この人達は、自分達は何をしても、どんなことを言っても許されるが、自分達に文句を言うことは、断じて許さないとでも思い込んでいるらしい。
九、 平成6年5月16日、職員の小島泰二氏が、組合の平成6年3月期の決算及び税務申告について打合せをするために、益田に行った。
その際、平成6年3月に3回、同年4月に4回、マルサが組合の人達のところに調査に赴き、しつように嘘の自白を迫り、国税の言う通りにしなければ、逮捕され犯罪者になると脅かした旨の報告を、組合の人達から受けた。
一〇、平成6年12月3日、藤原孝行、新本修司の2人が、組合の増田常務の自宅を訪ね、3時間にわたって、嘘の自白を迫り、検察による逮捕をちらつかせて脅迫した。
一一、平成6年12月15日、私は藤原孝行に電話をし、同年12月3日新本と2人で増田常務を再び脅迫したことについて、厳重に抗議をした。
一二、平成6年12月16日、午前10時54分、大木洋の後任で、藤原孝行の上司である永田嘉輝(査察第三部門統括査察官)に対して、藤原の不法行為に関して抗議を申し入れるために電話を入れた。
永田曰く、『今までの話、いろいろ聞いております。調査に協力いただけていない。部下を馬鹿野郎呼ばわりするような方とは、一切話したくないので電話を切ります。』
永田嘉輝は、私に一切話をさせようとはせずに、怒気を含んだ声で一方的にまくしたて、電話をたたき切った。その間、わずか25秒であった。
その後、私が何回電話しても、決して電話口に出ようとはしなかった。
一三、後に、私をはじめ組合の人達3人が検察に逮捕されるのであるが、国税局の調査に協力しなかったことが、理由の一つとされていた。
私達は、マルサに対して全面的に協力し、私にいたっては、マルサの要請により、多くの時間をかけて、7万4千字に及ぶ申述書を作成し、提出していた。
私達が断固拒否したのは、マルサの捏造したシナリオによる嘘の自白であり、決して、調査に応じなかった訳ではなかった。逆に、私の話し合いの申し出を一方的に拒否したのは、マルサであり永田嘉輝であった。
検察は、マルサの嘘の口車に乗って、あるいは乗ったふりをして、嘘の口実を創り上げて、私達を強引に逮捕したのであった。
一四、平成6年12月22日、当時参議院の地方行政委員長をしていた岩本久人参議院議員は、私の要請を入れて、国税庁長官寺村信行宛の抗議書(同年12月20日付)を作成し、抗議の申し入れを行った。
曰く『1年3ヶ月の間の広島国税局の不法かつ違法行為に対して、改めて抗議をする。マルサの担当責任者である永田嘉輝が、山根会計士との話し合いを一方的に打ち切ったのはどういうことか、経緯を明らかにして欲しい。』
一五、その後、マルサは、私を含めた全ての関係者との接触を一切断つこととなった。
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