粉飾された2兆円 -号外3
- 2008.08.11
- 山根治blog
私達松江市民の多くが疑問を抱いてきた「大橋川改修事業」が、一転して中止に向かって動き出したようです。 私がこのブログで取り上げている経済効果(費用便益分析のことです)の大幅な水増しトリックに加えて、その他にもいくつもの偽りが明らかになるに及んで、国交省だけでなく一緒になってインチキ工事を敢行しようとしてきた島根県と松江市もその言動が次第に怪しくなり、ついには支離滅裂になってきました。インチキを […]
フォレスト・コンサルタンツ
私達松江市民の多くが疑問を抱いてきた「大橋川改修事業」が、一転して中止に向かって動き出したようです。 私がこのブログで取り上げている経済効果(費用便益分析のことです)の大幅な水増しトリックに加えて、その他にもいくつもの偽りが明らかになるに及んで、国交省だけでなく一緒になってインチキ工事を敢行しようとしてきた島根県と松江市もその言動が次第に怪しくなり、ついには支離滅裂になってきました。インチキを […]
先週の号外で紹介した地元紙の記事は、重要な点で誤っているようです。“斐伊川・神戸川治水対策事業の審議では、上流部のダム、中流部の放水路、下流部の大橋川改修の三点セットのいずれも事業継続を妥当と判断“(山陰中央新報 平成20年7月29日)と、なんとも当然のような書き方がなされているのですが、どうもオカシイのです。 平成20年7月28日に開催された、国土交通省中国地方整備局の事業評価監視委員会に提出 […]
前々回の終りで触れましたように、私を含む多くの松江市民は、松江市の洪水のためであれば、なにも多額の税金を投入してまで上流に巨大なダムを造ったり、大がかりな放水路を造ったりする必要はなかったのではないかと考えています。これは私が費用対効果分析(B/C分析)の吟味によって明らかにした事実、つまり斐伊川の治水事業として投入できる金額の限度は、費用対効果の基準値を守る限りは、322億円であるということと […]
国土交通省がやっている公共事業については、5年に一度再評価をすることになっています。しかも、その際に、事業の投資効果の見直しが求められており、“原則として再評価を実施する全事業について費用対効果分析を実施するものとする。”(『国土交通省所管公共事業の再評価実施要領』第5、3.①-2)とされています。 斐伊川水系の治水事業について、「中国地方整備局事業評価監視委員会」なるものが開かれたのが、平成 […]
前回の議論を踏まえた上で、次に、大橋川改修事業の経済効果を推計してみることにいたします。 明治初年以来最大の洪水は、昭和47年7月のものであったこと、大橋川改修事業の前提となっている150年に一度の確率で起る大洪水は、2日間雨量でおおむねその10%増の399mmとされていることについては、すでに度々述べてきたところです。この昭和47年7月の大洪水による松江市の水害被害額は89億円(「水害統計」 […]
これまで私は、斐伊川水系全体の経済効果について考えてきました。国交省が公表している2兆円という経済効果は、現実にはあり得ない架空の数字であることを示し、その上でこの事業の経済効果を推計し、最大でも322億円を超えないことを示しました。公表されている2兆680億円は、推計値である322億円の64倍にも相当するヒドイもので、推計されるB/C比率は基準値である1を大幅に下回り、0.05になることを明ら […]
前回行った推計計算によって、斐伊川水系の治水工事の経済効果として公表されている2兆658億円について、そのインチキの度合を推計したところ実に64倍もの水増しをしていたことが判明したわけです。その結果、経済効果(総便益B-3)の推定値である322億円をもとに算定されたB/Cの値が0.05となった事実は極めて重いものがあります。まだ工事が始まっていない大橋川改修工事だけでなく、事業のかなりの部分が終 […]
これまで私は、2兆円という数字が実際にはあり得ない荒唐無稽(こうとうむけい。この世の中でそんなばかなことが有るはずは無いということが分かりきっている様子、-新明解国語辞典)な絵空事(インチキということです)であることを2つの角度から論証いたしました。一つは経験則に反することを示し、今一つは論理矛盾が生ずることを示しました。ただ、これらの作業は、国交省が公表している2兆円という経済効果がインチキで […]
B/Cの値が全国で最大の値を示している、宮城県の -白石川広域基幹河川改修事業 について、改めて考えてみることにしましょう。 この河川改修事業では、費用(C)が89億円に対して、便益(B-3)が1兆1,056億円と計算されており、B/Cの値として124.7(124.2の誤植でしょうか)が示されています。 この事業の年便益(B-2)を逆算してみますと、 -514億円 となりますので、投入資金で […]
水増したインチキの経済効果を堂々と公表し、治水事業を継続する根拠としているのは、斐伊川水系だけではありません。どうも国交省河川局が全国的に統一してゴマかしているらしいのです。国交省出雲河川事務所だけではないということです。 総務省が公表している『個別公共事業の再評価結果一覧』(平成16年3月29日省議決定)の中の、河川事業とダム事業のところを見てみますと、眼を疑うようなことが明らかになります。 […]