高松国税局-恐喝と詐欺による天下り-②
- 2012.04.10
- 山根治blog
全国の税理士は7万人、その半分を国税OB税理士が占める。正規の税理士試験を受けることなく、単に一定期間税務職員であったことだけで、タナボタ式に税理士資格が付与されている人達だ。
ちなみに、この税理士試験、一般の人が真正面から向かっていくとすれば超難関の試験である。税務職員ではなくても、大学院の修士課程を出たことにすれば安易に資格が取れる抜け道があるが、大真面目に正規の税理士試験を真正面から突破しようとするとタイヘンだ。合格するという点では、公認会計士試験とか、司法試験よりもはるかに難しい試験ではないか。
試験内容のレベルがこれらの試験より高いというのではない。合格者の数がはじめから絞られており、能力のある人でもなかなか合格できないようになっているからだ。
このような、いわばタナボタ税理士である国税OBのウリは唯一つ、古巣である国税当局に顔が利くこと、つまりニラミが利くことだ。
納税者が彼らに敢えて高い報酬を支払うのも、税務調査があった場合に手心を加えてもらうことを期待するからだ。職業会計人として仕事らしい仕事をしない、というより職業会計人としてのまともな仕事ができないこの人達に、商売のプロである納税者がわざわざカネを払うのは、いわば用心棒の役割を期待するからだ。捨扶持(すてぶち)である。
週刊朝日に指弾された国税OBの税理士が、問題の会社から現役のときに数千万円の現金を受け取ったり、退官してからその会社から会計参与として月額120万円という破格の報酬を受け取っているのも、会社がそれに見合う手心を加えてもらったと思い込んでいるからであり、今後とも手心を加えてもらうこと(便宜供与)を期待しているからだ。錯覚である。
この人物は、
と記者に語ったとされる。仮にそれが事実であったとしてもその知識と力はもとより正当なものではない。外聞をはばかる知識であり力、闇から闇へと処理する知識であり力だ。ヤクザのそれと変るところはない。この人物に限らず、国税OB税理士にそのような闇の知識とか力が実際にあるのかどうか定かではない。ただ、国税OB税理士があるかのように吹聴し、納税者もそれを信じて疑わないことだけは事実だ。
真実、闇の知識と力があり、現実にそれを行使するとすれば国家に対する犯罪行為であるし、ないのに行使したと偽れば詐欺である。いずれにせよ、不正行為であることに変わりはない。
税務職員は退官後、税理士として会社の役員、会計参与、あるいは顧問といった形で会社にもぐり込む。一種の天下りである。この人達のセールスポイントは唯一つ、古巣である国税当局とのコネクションだ。一般の役人の天下りの構図と似てはいるが、決定的に異なる点がある。
国民からお金を掠(かす)め取る点では同じであるが、掠め取るお金の原資が異っている。一般の天下り役人が掠め取るのは、国民が納めた公金としての税金であるのに対して、国税OBは納税者から直接掠め取るのである。公金をチョロマカすのが一般の天下り役人であるとすれば、納税者をチョロマカしてお金を捲き上げているのが国税OB税理士だ。
やらずボッタクリの役所である国税当局、そこで飯を食んだ不心得な役人のナレの果て、これが恐喝と詐欺による天下りの実態だ。納税者を恫喝して不安に陥れ、口を利(き)いて解決したフリをして、天下り先から掠め取るのである。元ホステスとグルになって産廃業者から金を巻き上げた件(くだん)の人物だけではない。同工異曲の詐欺行為が、従来から多くの国税OB税理士に見受けられるのである。
このようなことを言うと、全国の国税OB税理士の面々は眼をつり上げて怒り出すに相違ない。
全国のアチコチから礫(つぶて)が飛んできそうである。しかし待っていただきたい。これらは現実の一端をありのままに表現したものだ。決してこの人達を侮辱しているのではない。敢えて言えば、軽蔑しているのである。もともと毀損の対象となる名誉がこの人達には存在しない。税金ドロボーとか詐欺師に、名誉などそもそも存在しないからだ。
公金を掠め取ったり、納税者を騙したりして生計を立てざるを得ない人達は、哀れとしか言いようのない存在だ。怒る前に恥を知るべきである。
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ここで一句。
(サラリーマンのようではない。サラリーマンそのもの。松下政経塾という現代版寺小屋を出て、政界に就職したサラリーマン。しかもデキは余りよくない。狡猾な役人どもの手の平で裸踊りさせられている、軟弱な口舌の徒(こうぜつのと。口先だけうまいやつ-新明解国語辞典、三省堂)。)
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