2006年9月

ゲームとしての犯罪 -21

エフェクター研の上場初年度の売上高のうちの5億円は、粉飾と疑われても仕方のないものでしたので、3月24日付のプレスリリース(完全子会社化)が出される前の段階で、取引の相手先である株式会社メディカルシステムネットワーク(以下、MSN社)は一体どのような会社なのか、更には支払ったとされる5億円の契約金はどのように処理されているのか調べてみました。 MSN社の第7期(平成17年9月期)の有価証券報告書は […]

ゲームとしての犯罪 -20

私が株式会社エフェクター細胞研究所(以下、エフェクター研)のことを知ったのは、この会社が昨年3月29日に名証セントレックスに新規上場された直後のことでした。ライブドア証券が初めて主幹事証券として手掛けた上場案件でしたので、インチキ集団が今度は一体何をやったのか興味があったのです。 早速関係資料を手に入れて調べてみたところ、案の定、エフェクター研の決算数字にとんでもない細工が施されている可能性が透け […]

ゲームとしての犯罪 -19

このところ、ライブドア事件の関心はもっぱら刑事裁判の成り行きに限定され、薄らいできた感があります。堀江貴文という異形(いぎょう)の人物が、株式上場のカラクリを悪用して行った巨額詐欺事件の本質が片隅に追いやられ、検察当局が立件したごく一部の犯罪事実のみがクローズアップされているのです。 その結果、「ゲームとしての犯罪」でテーマとして取り上げてきた被害者の視点が、このところのマスコミの論調からスッポリ […]

ゲームとしての犯罪 -18

さて、ライブドア事件でババをつかまされた、20万人余りの人達の投資総額(買いコスト)は、3,792億円でした(表8)。 このうち、浪費されてしまったものが171億円、ゲームに呼び込んだ一般投資家の利益として彼らのフトコロに入ったのが1,396億円でしたので、残りの2,225億円だけが投資金をいく分でも回収するてだてとなるものです(表17)。 もちろん、この2,225億円の全てが回収できるわけではあ […]