冤罪を創る人々vol.43
- 2005.01.04
- メールマガジン
2005年01月04日 第43号 発行部数:306部
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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上
げます。
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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態
「3)証拠、その捏造の軌跡」より続く
http://www.mz-style.com/item/197
4) 検面調書、その詩と真実
一、 刑事法廷に提出される重要な証拠の一つに、検察官面前作成調
書、略して検面調書がある。
わが刑事法廷にも、複数の検事によって作成された数多くの検面
調書なるものが提出された。
それらは、マルサと検察とが合作した偽りのストーリーを肉付け
し、補強するために用意された、いわば詩であり、真実とはほど遠
い想念の産物であった。
二、 検事達が創り上げた供述調書は、あまり出来映えがよいとは言
い難い詩であった。
一流の詩人は、真実にあらざることを高らかに唱い上げ、読者に
真実の感動を与えるものである。ゲーテの「詩と真実」はその最高
傑作であろう。
検事という名の詩人達は、真実にあらざることを供述証書によっ
て高らかに唱い上げたまではよかったが、他の誰にも真実の感動を
与えることができなかった。嘘を真実らしく唱い上げる技術にいさ
さか難があり、作品がいかにも真実らしいレベルに達していなかっ
たのである。
更に、複数の検事たちが思い思いの詩を創り上げたため、作品同
士が互いに不協和音を発するに至り、収拾がつかない状態になった
のである。
三、 一方で、虚構のシナリオ作成の謀議に参加しながら、正直に真
実を唱い上げる供述調書の作成をした不心得な検事もでてきた。マ
ンガの世界である。
当然このような作品は総司令官である田中良とその配下である藤
田義清によって厳しく選別され、排除された。虚構のシナリオを崩
すものだからである。
四、 このようにして、松江地裁第31号法廷には、三流の詩が陸続
と並べられ、法廷には不協和音を主調とするシンフォニーが鳴り響
いた。
タクトを振るのは、背の低い小太りのコメディアン検事立石英生
であり、彼が懸命になればなるほど、聴衆の失笑を買った。
五、 当初法廷に提出された検面調書は概ねウソの自白のオンパレー
ドであり、真実の検面調書は法廷に開示されることなく隠匿されて
いた。
公判検事立石英生が裁判長の勧告によって、いやいやながら開示
した26通の真実の供述調書がこれであった。この他にも、多くの
真実の供述調書があったものと思われるが、立石英生は頑として開
示しようとはせず、闇に葬った。検察官の権限だそうである。
六、 以上の事実は、刑事裁判において当然の如く扱われている検面
調書の特信性が、単なる幻想にすぎないことを如実に物語る。いわ
ば、検面調書特信性の神話が崩壊したのである。
(「5)基本構図の崩壊 ― 自滅」はWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/201
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
「料亭「川崎」のおかみ」より続く
http://www.mz-style.com/item/198
・倉田まり子事件の真相 -その1
“北浜の若獅子”、“兜町の風雲児”と持て囃された中江滋樹氏
でしたが、一転して、多くの投資家を騙して多額の損失を与えた稀
代のペテン師として、マスコミから集中砲火を浴びることになりま
した。
今から20年前の昭和59年8月24日、中江氏が率いる投資
ジャーナル社をはじめ関連会社14社は、証券取引法違反によって
警視庁の強制捜査を受け、あっけなく破綻してしまいました。
中江氏にからんで芸能マスコミが袋叩きにしたのが、歌手の倉田
まり子さんでした。中江氏の愛人と決めつけられ、7千万円の贈与
を受けて豪邸を購入したとして連日のように、テレビをはじめ各メ
ディアが大騒ぎしたものでした。
私は、中江氏と倉田さんからの依頼を受けて、事の真相をマスコ
ミを通じて話すことになり、テレビはフジテレビに限り、週刊誌は
週刊ポストに限ってインタビューに応じ、真実を語ったことによっ
て、空騒ぎはピタッとおさまりました。
もともと7千万円の件は疑惑でもなんでもないことなので、真実
が明らかになってみれば、面白くもおかしくもないことになってし
まって、テレビ的にいえば、絵にならなくなったのでしょう。
経済とか法律に疎いワイドショーのキャスターとか、芸能レポー
ターが、株の世界にまで首を突っ込もうとしたところに無理があっ
たようです。
それにしても気の毒だったのは倉田さんです。芸能界でこれから
というときに、マスコミの理不尽としか言いようのないやり方で潰
されてしまったのですから。
当時、中江氏と打ち合わせをした上で、倉田さんについての空騒
ぎを静めるために私が表に出て事実を話したのですが、どうしても
公表できないことがありました。
7千万円の貸与の趣旨について、芸能プロダクションへのスカウ
ト料のかわりの融資であることまでは明らかにしました。しかし、
どのようなプロダクションなのかについては、話すことができませ
んでした。
あれから既に20年経ちました。プロダクションの影のオーナー
であったマスコミ界の大物も、投資ジャーナル事件後ほどなくこの
世を去っています。もういいでしょう、倉田さんの名誉のためにも、
より詳しい事実を明らかにすることにします。
(続きはWebサイトにて)
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