066 上告審
- 2004.12.07
- 冤罪を創る人々
****3)上告審
一、 平成13年6月12日、私は控訴審において、一部有罪とされたことを不服として、最高裁判所に上告した。
二、 上告審にそなえて、あらたに、3人の専門家の鑑定所見を徴求した。
控訴審における北野弘久教授の鑑定所見は、稿が改められ、再度上告審の審査に添えた。
鑑定所見を寄せて下さったのは、次の四氏である。
+北野弘久氏。日本大学法学部名誉教授、税理士、法学博士。
+船山泰範氏。日本大学法学部教授。
+三木義一氏。立命館大学教授、法学博士(一橋大学)。
+山田二郎氏。元裁判官、前東海大学教授、弁護士。
三、 平成13年8月31日に、中村弁護人は、上告趣意書を作成し、最高裁判所に提出し、更に、翌14年9月9日、上告趣意書(補充書)を提出した。
最高裁判所の折衝窓口は、当初は後藤調査官であり、次いで芦澤調査官にかわった。中村弁護人は1回、最高裁に足を運び、後藤調査官と面談した。
四、 通常、最高裁の審理は内輪の書面審査のみであり、法廷が開かれることはない。
しかし、下級審の判決を変更するような場合には、法廷が開かれることがあり、私の場合、弁護人は法廷が開かれるであろうとの見通しを持っていた。
五、 平成15年9月20日、最高裁判所第一小法廷から、同年9月18日付の「決定」が特別送達され、上告棄却が通告された。
「裁判官全員一致の意見で、主文の通り決定する」として、末尾に次の5人の裁判官の名前が記されていた。
+裁判長裁判官 深澤武久
+裁判官 横尾和子
+裁判官 甲斐中辰夫
+裁判官 泉 徳治
+裁判官 島田仁郎
その後の詳しい経緯については、「第六章 一. 10年間の身分の変遷」の「(6) 前科者 ― 以前に法を犯して刑罰を受けている者 ― 」の二項で述べる予定である。
最高裁判所は、私にとって沈黙の伏魔殿であった。
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