冤罪を創る人々vol.37
- 2004.11.23
- メールマガジン
2004年11月23日 第37号 発行部数:273部
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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ) 昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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【お知らせ】
姉妹誌「悪徳会計屋の経済事件ノート」を11月25日(木)
より発行します。(週刊。無料)
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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態
「(2) 控訴審 控訴趣意書」より続く
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(イ) 公判検事 梶山雅信
1.弁論要旨
一、 平成13年2月19日、松江地裁31号法廷において、広島高
等検察庁松江支部検事梶山雅信は、自ら作成した弁論要旨を読み上
げ、第二審が結審した。
二、 弁論要旨は、7ページというわずかな分量のものではあるが、
検事梶山雅信という人物を明確に浮かび上がらせるには十分である。
三、 梶山雅信は、さきに栗原雄一が作成した控訴趣意書にふれ、二
度にわたって「既に控訴趣意書において詳細に論証をしたとおりで
ある」と言及している。
すでに述べたとおり、控訴趣意書は、立石英生が第一審で述べた
論告要旨を更に上まわる荒唐無稽なものであり、論証はおろか、説
明の域にも達していないものであった。
このような控訴趣意書について、梶山は、「詳細に論証」がなさ
れたものと称した。
梶山がまともに控訴趣意書を読んでいないとすれば、明らかな職
務怠慢であるし、十分に読み込んでいるとすれば、何をか言わんや
である。今の検察当局には、歯止めをかけるチェックシステムが存
在しないか、あるいは存在していたとしても機能不全に陥っている
のではないか。
四、 弁論要旨をしめくくるにあたって、検事梶山雅信は、次のよう
に言ってのけた、 ―
『売買を仮装し、巨額の益金を圧縮する方法により敢行した本件法人
税逋脱(脱税)行為は、税理士兼公認会計士である被告人山根が専
門知識を駆使して仕組んだ極めて巧妙な犯行であり、このような行
為が犯罪として処罰されなければ、収税の公平が阻害されるととも
に健全な国民感情にも背馳し、著しく社会正義に反することとなる。
よって、速やかに原判決を破棄した上、被告人らに対する適正な裁
判を求めるものである。』
冤罪でひとたび逮捕し、断罪をした以上、数多くの証拠を捏造あ
るいは隠匿してでも、なにがなんでも有罪に持ち込もうとしている
検察の姿勢がここには明確に示されている。検察は、自らの犯罪的
行為を封印して組織防衛をするためには、無辜の人間を一人や二人
抹殺しても構わないと考えているのであろう。
“健全な国民感情にも背馳し、著しく社会正義に反する”ことをな
したのは一体誰なのか、改めて問いかけたい。
(「2.教壇に立つ検事」はWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/169
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21
「西武鉄道 「堤商店」のトリック」より続く
http://www.mz-style.com/item/163
・西武鉄道 銀行の責任逃れ-その1
西武鉄道の上場廃止が決まり11月17日付で、西武鉄道株は監
理ポストから整理ポストに移されました。
一ヶ月程前、グループのオーナーである堤義明さんが虚偽記載の
事実を公表したときから、上場廃止は十二分に予測されたことです
ので、東証の処分は私にとってそれほど驚くほどのニュースではあ
りませんでした。
しかし、私がビックリしたのは、上場廃止の通告を受けた西武鉄
道の小柳皓正社長が、直ちに記者会見を開き、ジャスダック市場へ
上場すると発表したことでした。唖然としましたね。
小柳さんはこう言ったそうです、-
”上場廃止に至って非常に残念。事態の収拾に力及ばず申し訳ない。
財務体質は健全。一般株主の利便性を確保するため、ジャスダックに
上場する準備を始める。……
……会社を育てていくというコンセプトの市場なので、いいという
ことであれば認められるだろう。”(平成16年11月17日付、日
本経済新聞)
私は、先月13日にグループの総帥である堤さんが、信じられな
いような寝ぼけた発言をしたことから急にこのグループに興味を持
ち、数字をいじくり回してみたところ、概ねグループの実体がはっ
きりしてきましたので、このブログ上で10回にわたってお話しし
てきました。その後どうなるだろうかとヤジ馬的に推移を見つめて
いたところ、またまたやってくれましたね。
小柳さんがオーナーである堤さんの了解なしに行動できるはずが
ありませんので、全て堤さんの意向であると考えていいでしょう。
たとえて言えば、-
いいとこのお坊っちゃんが、限度を超えたワルサをしたことから
お上にとっつかまった。少年院送り(上場廃止)をなんとか避けよ
うとして、ワルサをもみ消そう(インサイダー取引)としたり、し
おらしいシグサ(堤さんの全役職辞任)をしてみたり、お上に顔の
きくエライ人達(経営改革委員会の委員-急遽集められた寄せ集め
部隊)にとりなしを頼んだりしたものの、”事態の収拾に力及ばず”
(小柳社長談)、少年院送りが決定してしまった。
少年院送り(上場廃止)のままでは、なんとも世間体が悪いので、
何とか罪一等を減じて、保護観察処分ということにしてもらって、
仮出所(ジャスダック上場)させてもらいたい。
その理由は、お坊っちゃんを支援してくれた多くの人達に迷惑を
かけない(”8千人の一般株主の利益確保を最優先に”-小柳社長
談-)ためであるとし、お坊っちゃんがワルサをした(虚偽記載)
ことは事実であるが、お坊っちゃんそのものは、いたって心身共に
健全であり(”財務体質は健全”-小柳社長談-)、更正(西武グ
ループの建て直し)のためにも、仮出所(ジャスダックに上場)を
して世間並みの活動をさせていただきたい。
-といったところでしょうか。
まさに、ジコチュー(自己中心主義)の見本といったところで、
甘えの構造は相当なものですね。
と、ここまで書いてきて、ハタと筆が止ってしまいました。これ
は本当に堤さんの意向なのか、と考えると少しおかしいことに気が
ついたのです。
堤さんは会見の席上、『そもそもなぜ西武鉄道を上場しなければ
ならなかったのか私にはわからない』と放言し、大方の顰蹙をかっ
たばかりですので、再び上場したいと言うはずがありません。
(続きはWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/170
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