冤罪を創る人々vol.2

2004年03月30日 第2号 発行部数:183部

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 「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-




    日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。


    マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。


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 山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ


 株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント


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●(第二章)マルサ事案の概要と結末




「2.脱税日本一」より続く


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3.一審判決




一、 平成11年5月13日、松江地方裁判所(裁判長長門栄吉)は、31


 号法廷において、マルサ事案(巨額脱税事件)について、無罪の判


 決を言い渡した。




二、 しかし、一審判決は、マルサ事案について無罪としながらも、


 検察の顔色をうかがうような不十分な内容のものであり、刑事裁判


 と並行して進行している税金の裁判(このときは国税不服審判所で


 審理中)において、国税当局に主張の余地を一部残しているもので


 あった。即ち、刑事事件では無罪であっても、税務上は多額の理不


 尽な税金が徴収される余地が残っていたのである。


  取引の相手方である佐原良夫が明らかに嘘の自白をしているにも


 拘らず、一審判決は、佐原の自白が必ずしも嘘ではないと認定し、


 この取引は売買ではなく、譲渡担保であると佐原が誤解していたと


 認定した。


  検察の面子を立てるための判決としか言えないものであり、無罪


 とされても私としては手放しで喜べないものであった。


  ちなみに、そのプロセスが誤っていた一審判決でさえ、検察が捏


 造した証拠のほとんど全てを、信用性に欠けるものとして排除して


 いる。




三、 マルサ事案に対して無罪の判決が下されたのにあわてふためい


 た広島国税局は、控訴審にそなえて、当時、西大寺税務署長をして


 いた大木洋と、岡山東税務署法人部門特別調査官をしていた告発者


 の藤原孝行とを、急きょ本局に呼び戻し、それぞれ査察管理課長、


 査察管理課査察審理官にすえつけた。


  2人は控訴審において、再び検察官を繰り人形にして、更なる悪


 あがきをすることになった。いわば恥の上塗りをしたのである。






4.二審(控訴審)判決


 


一、 平成13年6月11日、広島高等裁判所(裁判長前川豪志、退官に


 より宮本定雄裁判長代読)は、松江支部において、一審の無罪判決


 を支持し、検察側の控訴を退けた。




二、 「本件は無罪」-形の上では、一審判決と同様であったものの、


 無罪を認定するプロセスが一審判決と全く異なるものであった。


  二審判決は、一審判決における事実認定の誤りを正し、検察の主


 張していた架空売買が事実無根であることを明確な言葉で判示した。


 それは、検察がマルサと共に創りあげた虚構のシナリオが完全に崩


 壊したことを宣言するものであった。


  


三、 12人もの検事達が、許しがたい犯罪人として私を逮捕し、291日


 の長きにわたって私を松江刑務所拘置監に身柄拘束したうえで、マ


 スコミを通じて次から次へと事実に反する嘘の発表をして、私を社


 会的に抹殺しようとしたカラクリが白日のもとにさらされ、検察が


 勝手に描いた虚構のシナリオがガラガラと音をたてて崩れた。


  裁判所という公の場で、検事たちの嘘が明らかにされ、彼らがマ


 ルサと共同して創作した冤罪の構図は、バベルの塔さながら、崩れ


 去った。




(続きはWebサイトにて)


http://www.mz-style.com/item/27






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●山根治blog (※山根治が日々考えること)


http://consul.mz-style.com/catid/21






  山根治です。「不撓不屈」(高杉良著、新潮社刊)を読みました。


 TKCの創設者である飯塚毅さん(公認会計士・税理士)の半生を


 描いたものです。


  飯塚さんとは面識はありませんが、私達職業会計人の間では”飯


 塚事件”として有名な方であり、以前から名前はよく知っていまし


 た。




  今から40年程前、飯塚さんの会計事務所は70名近くの職員を


 擁する規模にまでなっていました。


  昭和39年のことでした。飯塚さんは一年近く国税当局に理不尽


 な言いがかりをつけられた挙句、税理士法違反で事務所の職員が4


 人も逮捕起訴されるという信じられない事件に巻き込まれてしまい


 ました。これが飯塚事件と言われているものです。


  飯塚さんは、その後完全無罪を勝ち取られただけでなく、更に公


 認会計士の資格をも取得され、今日のTKCを築き上げられた、ま


 さに立志伝中の方と言っていいでしょう。




  飯塚さんの事件と私の事件とを単純に比較することは勿論できま


 せんし、比較するつもりもありません。


  しかし、高杉良氏によって生々しく再現された国税当局の言動を


 見ると、私の場合と酷似していることに驚かされます。強大な権限


 を与えられた者の本質が全く変わっていないということなのでしょ


 うね。


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